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2019/05/10
家を建てるなら知っておきたい!構造計算と壁量計算って?
みなさん、構造計算と壁量計算という言葉をご存知ですか?どちらも家の強さを図るための計算です。
一見同じようなものに見えますが、実は中身は全く異なります。この違い含めて、マイホームの購入を検討されている方には知っておいてほしいのです。
そこで今回は、構造計算と壁量計算の違いについてお話しいたします。
■鉛直荷重
これは、上から下に流れて伝わる力のことを指します。構造計算においては、建物、積雪、家具、人など、家全体の重さを考慮します。
一方壁量計算では、一棟ずつ算出することはせずに、屋根材が軽いか重いかなどの違いのみ注目し、積雪荷重も考慮されません。
加えてこちらの計算では長期荷重の規定がないために、短期荷重のみ検討します。
■地震荷重と風荷重
前者は、地震によって建物が受ける力のことを指します。構造計算においては、建物の重さに比例して変化すると想定し、地震が発生したときの力を算出します。
後者は風、特に台風などの強い風を受けたときの力を指します。
構造計算だと、建物の高さと風荷重は比例すると考えます。
一方壁量計算においては、この地震荷重と風荷重を区別せずに考えます。
建物に影響を与える地震や台風の力を、耐力壁以外の壁が1/3を負担することを想定して規定されています。
したがって、地震力を2/3に減らすという考えです。
その手法は比較的単純なものであり、その大部分が設計者に託されています。
■応力度チェック
応力度とは、単位面積に外部からどれだけの力が加わって、その力によって内部にどれだけの抵抗力が生じるのかというものです。
つまり応力度チェックというのは、建物に外部の力(地震や台風など)が加わったときに、柱や梁にその力が伝わったときに、どの程度までなら耐えられるかをチェックするということです。
構造計算では、部材(梁や柱)にどれだけの力が加わるのか、またどの程度でダメージが加わるのかをチェックします。
壁量計算ではこの規定がないので、専門家の経験値と勘で部材を決定しているというのが現状です。
■偏心率チェック
剛心(建物で最も剛性が強い部分)と建物の重心のズレを偏心といい、そのズレの程度を偏心率という。
地震の力は建物の重心に最もかかってくるので、この偏心率が大きいと建物自体にねじれが発生してしまうため、耐震性も低くなってしまいます。
構造計算ではこのような偏心率をチェックしますが、壁量計算では略式検討のみのとどまっており、尚且つこの項目が導入されたのは2000年以降です。
いかがでしたか?
各項目における構造計算と壁量計算の違いを少し理解していただけたでしょうか?
壁量計算は2階建てまでの木造住宅によく利用されており、構造計算は3階建て以上の木造住宅や鉄骨構造、鉄筋コンクリート造などに利用されています。
家を建てられる方は、この違いを理解しておきましょう