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2019/05/14
構造計算に使われる4つの力を解説します
みなさん、家には様々な力(荷重)が作用していることをご存知ですか?
家具、人、雪、地震などたくさんの力がかかっています。長く保てる家を建てるためには、これらの力に耐えられる構造にしなければなりません。
今回はそんな家にかかる力の中でも、構造計算で使われる7つについて簡単に解説していきたいと思います。
■固定荷重
固定荷重とは、建物自重(建物自体の重さ+設備機器などの重さ)のことを指し、これは重力方向(上から下)に働くと考えます。
地耐力(地盤がどの程度の荷重に耐えられるか)にも関わってくることなので、重要なポイントです。
もし、地耐力がない土地でしたら仕上げ材などを変更して建物自重が軽くなるように調整します。
この値は、材料の単位重量(体積あたりの重量など)と体積(面積×長さや高さ)に応じて算出されます。
代表的な建築材料(構造材)の中でも軽いものは以下の通りです。
杉・檜 4(kN/㎥)
モルタル・軽量コンクリート 20(kN/㎥)
コンクリート 23(kN/㎥)
鉄筋コンクリート 24(kN/㎥)
鉄骨鉄筋コンクリート 25(kN/㎥)
鋼材 79(kN/㎥)
■積載荷重
これは固定荷重に含まれない建物内の人や家具など、その建物が積載することになる荷重を指します。
建築基準法では、この積載荷重を建物の用途や利用形態に応じて値を定めています。
つまり同じような外見の建物でも、その建物に求められる積載荷重に耐えられるような設計がなされているということです。
一般住宅においてはまずありえませんが、もし構造計算で積載荷重がギリギリになった場合には、積載するモノ自体を分散するように配置するなどの工夫が必要になってきます。
■積雪荷重
これは屋根などに降り積もる雪の重さで生じる荷重のことを指し、その値は「垂直積雪量×積雪の単位重量
で求められます。垂直積雪量は、過去の積雪記録に基づいて特定行政庁ごとに定められていますが、この値が同じでも春先の雪解け遅い地域は重い氷雪になり荷重が大きくなる場合もあるので注意が必要です。
■地震荷重
これは地震力とも言い、地震によって建物が揺れる際に生じる力、言い換えると地震時に建物の鉛直荷重(固定荷重、積載荷重、積雪荷重など)が水平方向の力として作用したものを指します。
つまり、鉛直荷重が小さいほど地震の影響を受けにくいということです。
しかし、上層階にその重さを集積してしまうとバランスを崩しやすく、逆に地震の影響を受けやすくなってしまうので注意が必要です。
いかがでしたか?
家にかかっている様々な力のことを少し理解できたのではないでしょうか?
これらの力を正確に把握し、それに耐えうる設計の家を建てるためにも、依頼する業者や専門家はきちんと見極めるようにしましょう。