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2017/11/29
5分でわかる!構造計算なしの家に潜む危険性って?
みなさん、「構造計算」をご存知ですか?これは家にかかる様々な力を想定し、それに耐えうる強度を持たせるためにはどうすればいいのかということを総合的に計算するものです。
家づくりには欠かせないポイントの1つです。この構造計算の重要性を理解していただくために、今回は構造計算なしの家に潜む危険性についてお話しいたします。
■柱と梁の強度
現時点では、柱の太さや本数、梁の大きさを調べる規定はありません。
しかし、雪が屋根に30センチ積もると積雪荷重は6トンもの重さになります。
この重さに耐えられる材料、本数、太さはどれくらいなのかは、調べなければわかりません。
また、家を支える大切な部分である柱も、9センチ以上であれば太さや数は問わないということになっています。
柱は均等に配置されていなければなりませんが、リビング空間を広くとるために中央部分に柱がない家が近年多く見受けられます。
リビングを広くするためには梁の長さと大きな梁の断面が必要になってきますが、これらは現場の大工さんの経験値と勘に大部分がゆだねられている状況です。
したがって、構造計算のされていない家は大工さんの技量にその強度を大きく左右されてしまいます。
■筋交いの有効性
構造計算で力のかかり方を調べていない状況では、どの部分に筋交い(柱と柱の間に斜めに入れて構造を補強する部材)を入れれば耐震効果があるのかわかりません。
加えて、筋交い自体の有効性も確かではありません。
実際に吹き抜け構造の建物に筋交いを規定数組み込んだとしても、十分な耐震性が確保できていないものが多くあります。
筋交いで耐震力を向上させるためには、床の強さも考慮する必要があります。
構造計算ではこれも計算されますが、壁量規定には含まれていません。
したがって、筋交いの有効性を高めるためにも、家自体の耐震性を高めるためにも構造計算が必要であるといえます。
■雑壁効果
構造計算を使用しない場合には壁量規定に基づき建設されていくのだが、その壁量規定では「雑壁効果」というものが含まれます。
これは筋交いがなくても壁やその他の材料が抵抗力を発揮して地震の際に建物が壊れないようにしてくれる効果を指します。
この雑壁効果が考慮されることによって、構造計算の場合よりも地震力を30%少なく見積もることができます。
この曖昧な存在である「雑壁」に本当に耐震性があるのなら、その場所を確認して大きさやその効果を計算することが必要ですが、壁量規定では行いません。
つまり、優良な業者であっても、この曖昧な雑壁が考慮されている壁量規定に基づいて建設される限り、その耐震性も完全に保証されるわけではないということです。
いかがでしたか?
構造計算がされていないと、上記のような危険性があります。
耐震性が確かな家にするためにも、構造計算を用いて建設しているのか確認するようにしましょう。