家づくり学
2017/12/12
平松建築の家づくり学(15)健康空間を作る4つのポイント
シリーズでお伝えしている平松建築の家づくり学。12月は“健康”をテーマに家づくりを考えてみましょう。NHKが2015年に発表した「国民生活時間調査」では、家で過ごす時間(在宅時間)の平均は、平日だと15時間前後が平均。外に働きに出ている人でも1日の約半分、12時間は家で過ごしているそうです。
そう!家は、人生の半分以上を過ごす場所なんですね。
家の環境の良し悪しが、身体の健康に影響する、とも言えるわけです。
■アレルギー疾患を持っている人は増加の一途
日本ではアレルギー疾患を持つ人が年々増加傾向にあるそうです。
医学の父と言われたヒポクラテスが「自然から遠ざかるほど病気に近づく」と言った言葉に一つの答えがあるかもしれません。
ドイツでは、1970年代から「予防原則」という考えが一般的になりました。科学的なものでも安全性がしっかり確認されるまでは使わない、という基本姿勢は、家づくりにも反映されています。
日本では、家の壁紙はビニールクロスが9割以上。一方ドイツでは紙クロスの使用率が高く、ドイツ独自の壁紙の安全基準「RAL基準」も作られています。ビニールクロスは、通気性が悪いため、壁と壁紙の間に湿気がこもってカビが発生。喘息やアレルギーの原因になると言われています。また、もしもの火災時には有毒ガスを出してしまいます。そんなビニールクロスの健康へのリスクにも配慮したドイツの家づくりへの姿勢、学ぶところが大きいと思いませんか?
■ドイツ発祥の「建築生物学(バウビオロギー)」
この予防原則に基づいて、ドイツでは、住む人の健康を考えて住宅を作る「建築生物学(バウビオロギー)」という学問が生まれました。
バウ(建築)+ビオ(生物)+ロゴス(学問)という意味を統合させたバウビオロギー、日本ではあまり耳馴染みのない言葉かもしれません。ハウスメーカーや工務店でもバウビオロギーという言葉を知っている方は少ないのではないでしょうか?代表の平松が、バウビオロギーについて詳しく知ったのは数年前のことでしたが、ずっと平松建築でやってきたことと同じでした。
今回は、ちょっと抽象的な話になってしまいましたが、とりあえず今日覚えておいて欲しいのは「バウビオロギー」という言葉と「家は健康に大きく影響を与える可能性がある」ということ。
次回の家づくり学では、バウビオロギーで健康空間を作るために考えるべきと言われている4つのポイントをご紹介します。どうぞお楽しみに。
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