職人社長の家づくり工務店
2024/10/02
2024年は住宅基準法が大幅改正!マイホーム取得に影響する4つの変更点
こんにちは!平松建築株式会社です。
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2024年に住宅基準法が改正されます。住宅ローン減税・4号特例の縮小・先進的窓リノベ事業の共同事業実施規約・省エネ基準の適合義務化の4つを、損をしないためにも正しく理解することが大切です。
【この記事で分かること】
・ 住宅業界で起こる法改正の内容
・ 家づくりで後悔しない情報
・建築業界の現状
【動画で確認したい人はこちら】
注文住宅だけでなく、建築業界に大きな影響を与える住宅基準法が大幅に改正されます。どうやって住宅を建てるのか、建てるタイミングなどをきちんと把握しておかないと、税優遇を受けられるのに数百万円単位で損し、さらに別のコストが増える可能性も出てきてしまいます。
しかし、法律関係の内容は、専門用語が多く図解などを見ても理解できないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2024年に改正された住宅基準法について分かりやすく解説します。住宅の新築や購入を検討している方は、最新の制度内容をしっかりと理解し、最適な選択を行いましょう。
【2024年】住宅ローン減税制度の変更点
住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを利用して家を新築・購入・増改築する際に、金利負担を軽減するための税制優遇措置です。
住宅ローンの年末残高に対して一律0.7%の控除率の適用が、最大13年間続きます。控除は所得税から行われ、控除しきれない場合は翌年の住民税からも控除される仕組みです。
そんな住宅ローン減税制度は、2024年の法改正により大きく3つの変更点があります。過去に類を見ないほどの大きな違いがあるため、住宅の購入を検討している方は、最新の制度内容をしっかりと理解しましょう。
省エネ基準を満たさないと減税が受けられなくなる
2024年以降、省エネ基準を満たしていない住宅は、住宅ローン控除が一切受けられなくなりました。省エネ基準とは、一次エネルギー消費量や断熱性能などが一定の基準をクリアしていることを指します。
控除がなくなると負担が増えますが、省エネ基準を満たしていない家は個人の負担だけでなく、環境負荷もかかってきてしまうのです。
しかし、断熱性能を高くし、省エネ機器や太陽光をつけることで、こうした基準は確実にクリアできます。しっかりと省エネ基準を満たして、住宅ローン控除を受けられるようにすることで、光熱費の負担が下がりライフプランをより豊かにできるでしょう。
また、2023年12月末までに建築確認を受けているか、2024年6月末までに竣工済みであることを証明できる場合は、省エネ基準に適合しない新築住宅でも例外として住宅ローン減税の適用が可能となります。しかし、借入限度額が3000万円から2000万円に引き下げられ、控除期間も10年に短縮されます。
借入限度額が引き下げられる
2023年までは、省エネ性能の高い住宅に対して最高5000万円の借入限度額が設定されていましたが、2024年からはすべての住宅区分で借入限度額が引き下げられました。具体的な限度額は以下のとおりです。
長期優良住宅・低炭素住宅:4,500万円
ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
省エネ基準適合住宅:3,000万円
その端の住宅:0円
しかし、19歳未満の子どもがいる子育て世帯や、夫婦のいずれかが40歳未満である若者夫婦に対しては、住宅ローン減税の拡充措置が取られます。こうした世帯が2024年1月1日から12月31日までに入居する場合の借入限度額は、以下のようになっています。
長期優良住宅・低炭素住宅:5,000万円
ZEH水準省エネ住宅:4,500万円
省エネ基準適合住宅:4,000万円
その端の住宅:0円
中古住宅の要件は緩和される
2024年からの住宅ローン減税制度は、新築住宅に対して厳しくなる一方で、中古住宅に関する要件は緩和されています。具体的には、中古住宅が省エネ基準を満たしていなくても、そのほかの要件を満たしていれば住宅ローン減税の適用を受けることが可能です。
たとえば、昭和57年1月1日以降に建築された中古住宅は新耐震基準に適合しているため、住宅ローン減税の対象です。また、昭和56年12月31日以前に建築された中古住宅でも、現行の耐震基準を満たしていれば住宅ローン減税を受けられます。
ただし、耐震基準適合証明書、建築住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険付保証明書などの証明書を提出する必要があります。仮に新耐震基準を満たしていない場合でも、耐震改修工事を実施し、適切な手続きを行えば、住宅ローン減税の適用を受けることが可能です。
4号特例の縮小
4号特例とは、建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物(4号建築物)に関して、構造計算などの審査省略制度の対象となるものを指します。2025年4月以降、すべての建築物に関する木造計算の構造計算規定が見直されることになりました。
4号特例縮小により、今まで構造計算をしてこなかった工務店やハウスメーカーは、業務内容や業務量が大きく変わります。また、これにともなう建設コストの増加も予想されますが、施主にとって、適切な構造計算が必須となるのは大きなメリットです。
元々すべての建物で構造計算を実施していた工務店やハウスメーカーを選ぶことで、4号特例の縮小による影響を受けにくく、安心して耐震性の高い住宅の設計・施工を任せられるでしょう。
「建築確認・検査」「審査省略制度」の対象範囲の変更
木造2階建て500㎡以下や木造平屋建など、ほぼ一般的な注文住宅は「4号建築物」に分類されており、建築確認の際に構造審査を省略できました。
改正後は「4号建築物」が廃止され「新2号建築物」と「新3号建築物」の2種類に区分されます。「新2号建築物」は木造2階建てや延べ面積200㎡超(60坪)の木造平屋建てで、審査省略性の対象外です。一方「新3号建築物」は延べ面積200㎡以下の木造平屋建てで、引き続き審査省略が認められます。
とくに新2号建築物に該当する建物は、より厳格な審査を受けることになります。これにより、安全性と省エネ性能の向上が図られることが期待されるでしょう。
確認申請の際に構造・省エネ関連の図書の提出が必要になる
改正前は確認申請書のみで審査が通っていましたが、新2号建築物の改正後は確認申請書と図書に加えて、構造関連規定の図書や省エネ関連の図書も新たに提出する必要があります。
4号特例の縮小の背景
家を建てる際には、建物の重量・地震・台風などの負荷を考慮して、安全性を確保するための「構造計算」が欠かせません。しかし、4号特例があることで容易に建築確認が通ってしまっていたため、安全性に大きなリスクを抱えていました。
実際に、東日本大震災や熊本地震などの際、構造計算しないで作った家が多数崩壊しているという状況から、法改正により規制が厳格化されることになりました。本来であれば、耐震や省エネなどはきちんと計算しなくてはならないものです。今回法整備が進んだことで、今後は構造計算された家がどんどん建っていくでしょう。
先進的窓リノベ事業の共同事業実施規約の改正
先進的窓リノベ事業は、既存の住宅における窓やドアを省エネ効果の高い断熱窓やドアに改修する際に、費用の一部を補助してくれる制度です。補助金の額は、改修内容に応じて一戸当たり5万円から最大200万円までと幅広く設定されています。
先進的窓リノベ2024事業の共同事業実施規約は、2024年3月18日に改定されました。改正後の規約では、補助金の取り扱いや負担範囲について契約時に明確に定めることが求められます。
具体的には、2023年4月7日付以降に補助金を前提として工事・計画しても、虚偽の申告や、申請が間に合わなくて補助金が下りなかった場合の責任はどうとるのかを明文化することになりました。これにより、施主様と工事業者のトラブルをより少なくできるでしょう。
省エネ基準の適合義務化
省エネ基準は「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」によって定められたもので、建築物が省エネルギー性能を確保するために必要な構造や設備に関する基準を指します。
省エネ法により義務付けられる住宅の「省エネ基準」は、外皮(建物の構造や開口部)の断熱性能を評価する「断熱性能等級」と、消費される一次エネルギー量を評価する「一次エネルギー消費量等級」の2つで決まります。2025年以降、すべての住宅は「断熱性能等級4」および「一次エネルギー消費量等級4」以上を満たす必要があるでしょう。
しかし、断熱等級4の基準が高いわけではありません。世界的に見ればかなり低く、やっと世界レベルでの水準を義務化したにすぎません。
最低ラインが設けられたことにより、省エネ基準が高い家が建っていくこととなり、そもそも省エネ基準に満たない家は建てられなくなります。家を建てる人にとって安心感が増えるのではないでしょうか。
改正された背景
世界的な脱炭素やカーボンニュートラルの動きに合わせて、日本でも温室効果ガス排出削減の取り組みが進んでいます。とくに、エネルギー消費量の約3割と木材需要の約4割を占める建築分野での対策は急務です。
法改正により、建築分野での省エネ対策を強化し、脱炭素社会の実現に大きく寄与することが期待されています。
こちらの記事では、悪徳業者に騙されない工務店選びのポイントを紹介しています。安心・安全な家づくりのために、ぜひお役立てください。
建設業の2025年問題
建設業における2025年問題とは、従業員の高齢化により2025年に多くの退職者が出ることで、人手不足が深刻化すると予測される問題です。2022年時点での建設業従事者は約483万人おり、そのうち55歳以上が約36.6%、29歳以下が約11.6%です。
なかでも60歳以上の技能者は全体の約4分の1(25.7%)を占めており、10年後にはその多くが引退するとされています。2025年4月からは高齢者雇用安定法によりすべての企業で定年が延長されますが、それでも65歳になれば退職することが避けられません。
建設業における人材不足が加速するのを避けるためにも、職場の環境改善が欠かせないでしょう。
職場の環境改善が必要になる
2024年4月1日からは働き方改革関連法により、時間外労働に罰則付きで上限が設けられ、月45時間・年間360時間を超える残業が原則として禁止されます。もともと建設業では労働環境が悪く、長時間労働が常態化しており、全体の約4割が4週4休以下で働いているのが現状です。
長く働かないと生産性を維持できない企業は、品質の低下やミスの増加を招き、結果として成り立たなくなってしまいます。そのため、対策を講じない企業は人材流出が増加し、経営破綻の危機に追い込まれてしまうでしょう。
まとめ
2024年度の法改正をもとに住宅業界への影響について解説しました。
省エネ基準義務化は、環境負荷を減らすために必須で取り組まなくていけません。それに対して、できていない住宅は優遇をなくす、禁止するなどが取り入れられており、耐震や省エネを考えない家は建てづらくなってきます。
家族の安心や安全を考え、当たり前のものが当たり前に規制されていく、いい改正だといえるでしょう。
法改正にともない、どのような家を建てていくべきか、建てるタイミングなど疑問がある方は、ぜひ平松建築にご相談ください。平松建築では、お客様が安心して家づくりを進められるよう、真心をもって対応いたします。
心地よい住宅性能で家族が安心して暮らせる家づくりをしたい方は、お気軽にご相談ください。