職人社長の家づくり工務店
2025/02/19
【立ち上がり・打設前】基礎工事の失敗例を紹介!放置すると家が爆速劣化する要因とは

基礎工事の失敗例には、さまざまな原因が考えられます。原因を知っておけば、放置せずにトラブルが少ない家づくりを目指せるでしょう。本記事では、基礎工事の失敗例とともに役割や確認事項についてご紹介します。
【この記事で分かること】
・基礎工事の具体的な失敗例
・基礎工事の役割
・基礎工事の際に確認すべきこと
【動画で確認したい人はこちら】
こんにちは!平松建築株式会社です。
私たちは、浜松市、磐田市、袋井市、掛川市を中心に、高耐震・高耐久で圧倒的な空気環境を誇る、トータルコストでお得な家づくりをお手伝いしています。これらの地域で安心・快適な住まいをお考えの方は、ぜひ私たちにご相談ください!
基礎工事は、住宅の土台となる大切な工事です。基礎工事の失敗をそのままにしていると、施工後のさまざまなトラブルにつながります。放置すると家の劣化の原因にもなるため注意が必要です。
この記事では、基礎工事の具体的な失敗例とともに、役割、確認事項をご紹介します。これから家づくりを始める方、トラブルのない安心・安全の住まいを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
基礎工事の失敗例
基礎工事とは、土台部分を作る工事のことです。基礎には、建築物が沈んだり傾いたりしないように支えるという大切な役割があります。
基礎工事では、はじめに地盤調査が行われます。地盤が軟弱な場合は、地盤の固い部分にまで杭を打つなどの地盤改良を行ったうえで工事を行うなどもあるでしょう。
基礎工事には、大きく分けて2種類あります。地盤が柔らかい場合に行う「杭基礎」としっかりとした地盤の場合に行う「直接基礎」です。基礎を直接設置するベタ基礎は、直接基礎の一種といわれています。ここでは、基礎工事の失敗例を原因とともにご紹介します。
高さのミス
現在、基礎の高さは地盤より50mm下げると定められています。これは、基礎部分より地面が高いと、水がなかに入ってしまう恐れがあるためです。家の設計・建築だけでなく外構も一括で依頼した場合には、基礎の高さよりも周囲の地盤が高くなることはほとんどありません。
しかし、外構を家の施工業者以外に依頼した場合、外構の地面の高さが基礎よりも高くなってしまうことがあるのです。このような高さのミスが生じると、雨水が床下に浸水するなどのトラブルに繋がります。
地盤からの高さが十分かはもちろん、家の周りの地盤が基礎部分よりも高くはないか、基礎の高さはしっかり確保されているかもしっかりと確認しておきましょう。
つなぎ目からの水漏れ
基礎工事のつなぎ目からの水漏れにも注意が必要です。基礎工事中の集中豪雨などで玄関部分から水が入り、その水が受け渡し後に流れ出るケースもあります。新築施工時に何日も雨が降る場合には、シートを張るなどの対策が必要となるでしょう。
床下の水漏れを放置すると、結露やカビ、さらには木材の腐朽や害虫の発生などさまざまなリスクが発生します。家の耐久性だけでなく、カビの発生により住む人への健康被害にも繋がるため、水漏れなどがあった場合には、早めの対処が必要となるでしょう。
鉄筋への油の付着
基礎工事の際には、鉄骨の配筋を行います。鉄骨には、コンクリートと密着することで家を支えるという大切な役割があるのです。しかし、この鉄骨に余計なコンクリートがついていたり、油が付いていたりすると、コンクリートと鉄骨が密着しなくなってしまうのです。
きちんと密着していないと、横ずれを起こす可能性もあります。建築物の力を地盤に伝えるという大切な役割を担っているため、鉄骨への油の付着には注意が必要です。鉄筋に付着する油が広範囲にある場合には、問題のある鉄筋を交換するなどの対応が求められます。
基礎工事の役割とは
基礎工事の役割は、地盤と建物をつなぐことです。基礎工事の役割には、建物の重さを地盤に逃がす、台風や地震などの外部からの力を地盤に伝えて分散させるなどがあります。そのため、基礎工事が適切に行われなければ、建物の沈下や傾斜などの危険性が高まるのです。
基礎工事では、設計図どおり配筋されていることや、コンクリートの厚さが法律を遵守していること、上部の建物をつなぐアンカーボルトが図面どおり入っており、建物の強度が確保できる作りになっていることがポイントです。
基礎工事の際には、住宅監査の専門家による立ち合い検査が行われることがあります。配筋監査は配筋完了後に、コンクリートを打設するタイミングで監査が実施されます。監査は施工を行う会社ではなく、第三者機関によって実施されるのが通例です。
監査では、鉄筋が設計図どおりに配置されているかを確認するほか、さまざまな確認が行われます。信頼できる施工会社に依頼するのはもちろんのこと、基礎工事が適切に行われているかどうか、立ち会い検査を実施して確認することも大切です。
なお、基礎工事の立ち合い検査は、それぞれの建築会社が委託して実施しているケースが多くみられます。不安な場合は、買主が自ら住宅検査会社に依頼することも可能です。
基礎工事の確認項目
基礎工事の検査は、掘り方の検査・基礎底盤の配筋検査・コンクリート打設検査・立ち上り部分の配筋検査・立ち上がり部分のコンクリート打設検査・基礎仕上がり検査の6つがあります。
それぞれ法律に定められた項目をクリアしているか、設計図どおりに配置されているかなどのチェックが行われます。これらはすべて専門家ならではの目線が必要となり、安心・安全な住まいづくりには欠かせない項目といえるでしょう。
ここでは、基礎底盤の配筋検査の際の確認事項について詳しく解説します。
かぶり厚さ
かぶりとは、鉄筋と鉄筋周辺のコンクリートの厚さを指します。かぶりの厚さは法律で定められています。立ち上がりの厚さは、鉄筋と外側の鉄骨までの距離が40mm以上、内側の鉄骨までは30mm以上必要です。検査では、一番狭い部分の厚さが確認されます。
かぶりの厚さが不足すると、基礎のひび割れや鉄筋の錆びに繋がります。ひび割れや鉄筋の錆びは、建物の耐久性にも影響するため、注意が必要です。かぶりの厚さは、コンクリート打設前にしか確認できません。
アンカーボルト
コンクリートの打設前には、アンカーボルトのチェックも行われます。アンカーボルトとは、建物の木造上部と基礎を繋ぐもので、硬く緊結しなければならないと法律によって定められています。
アンカーボルトが設計図どおりに設置されているか、すなわち、基礎が決められた強度を確保できるつくりになっているかはもちろん、上部との緊結が正しくできているかを確認します。
さらに、アンカーボルトの先端の向きも検査対象です。先端が外側に向いていると、振動で基礎が割れる原因になります。
また、アンカーボルトの高さレベルも重要です。基礎工事ではレーザーを用いてアンカーボルトの高さを合わせます。同時に、コンクリートを打つラインを示すターゲットの高さがチェックされているか、コンクリートを入れる部分にゴミや異物がないか確認します。
底盤
配筋検査の際は、底盤部分にコンクリートが入っています。このコンクリート部分にひび割れがないかも非常に重要です。ひび割れがあった場合には、クラックスケールと呼ばれる計測器を用いてチェックを行います。
ひび割れは、適切な施工が行われていても、乾燥や収縮によって発生するため、各建築会社で基準を設けているケースがほとんどです。このほか、基礎の沈下や不定説な基礎の設計・施工でも起こりえるでしょう。
なお、コンクリートが打ってある底盤部分は、天端押さえをしているかどうかも重要です。天端押さえをすることで、コンクリートの水分の蒸発によるひび割れを防ぎます。
検査では、ひび割れにクラックスケールを合わせて計測を行い、基準内におさまっているか、さらに天端押さえをしているかを細かく見ます。配筋だけでなく、底盤部分のコンクリートのひび割れも細かくチェックし、基礎工事が図面どおり正しく行われているかの検査が実施されるのです。
人通口
人通口は、建物が完成したあとに行われる床下点検のために設置されます。人通口があるかはもちろん、人通口に接する部分のかぶりが十分かの点検も大切です。
かぶりの長さがありすぎるのもよくありません。かぶりが長すぎると、その部分が無筋状態となるため、建物の強度上の問題が出てきてしまうのです。
人通口部分の鉄筋のかぶりは、30mm以上100mm未満でなければいけません。配筋検査の際には、人通口部分の鉄筋もしっかりと確認されます。
人通口は家の構造上、設置しないと強度が上がります。しかし、床下点検には必要不可欠であるとともに、通気にも影響があるため、設けるのが通例です。
水抜き穴
配筋検査では、水抜き穴の検査も実施されます。水抜き穴は、工事中に家の内部となる部分に雨水が入った際に排水する役割を担う部分です。また、排水管や給水管が外れるなどの事故で漏水下場合に、水を抜くために設置されます。
水抜き穴は、設ける会社と設けない会社とさまざまです。設けない場合には、必要なときに基礎に穴を開けて、排水を実施します。しかし、後から穴を開けると鉄筋部分に傷を付けてしまうこともあるため、水災のリスクを鑑みれば、事前に設けておくことも賢い選択肢でしょう。
また、近年の水害被害の多さから水抜き穴を設置するケースも増えています。水害で床下浸水してしまった場合でも、水抜き穴から排水して乾かせば被害を最小限に抑えることも可能です。
幅止め
鉄筋部分の幅を保つ幅止めのチェックも欠かせません。鉄筋が幅止めでしっかりと挟みこまれているか、アンカーボルトがずれないように固定されているかも大切なポイントです。
全国的には金属の幅止めを使用していますが、九州地方では幅止めを使用しないケースが多くみられます。九州地方では、コンクリートを打ちながら稲を植えるようにアンカーボルトを設置する「田植え式」が主流です。
田植え式のアンカーボルトは精度の面で問題が起こりやすいとされています。金具を使用して幅止めを行い、アンカーボルトの位置をだしたうえでコンクリートを打つほうが、より精度の高い施工が可能です。
こちらの記事では、固定資産税を節税できるポイントを解説しています。固定資産税は、家のさまざまな箇所を評価したうえで算出されますが、今回ご紹介した基礎部分もそのひとつです。ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
家の基礎工事は、地盤検査や配筋、コンクリートの打ち付けが行われます。基礎部分は建物をしっかりと支えるだけでなく、台風や地震などの外部の力を地盤に逃がすという、大切な役割を果たす部分です。
家の基礎は、家が完成してしまうと見えない部分です。しかし安心・安全な住まいには欠かせない非常に重要な工事といえるでしょう。
適切に施工されているか知るには、第三者監査を挟んでいる建築業者を選ぶことも大切といえます。基礎工事の監査では、鉄骨やアンカーボルトが設計図どおりに配置されているかはもちろん、底盤や人通口、幅止めについても細かくチェックが行われます。
平松建設では、第三者監査をしっかりと行い、「家づくりは人生づくり!」をモットーに安心安全の住まいづくりを行っています。施工中に気になることがありましたら、誠心誠意お応えしますので、お気軽にご相談ください。